いやはや、こんなことってあるんですね。
プロレスラー、松山勘十郎選手。歌舞伎役者のような出で立ちでコミカルなムーブ、ダメージより笑いにウェイトを置いた楽しい必殺技、柔軟で上手な受けが特徴な選手でYouTubeとTwitterでゆるっと追いかけていました。そんな松山勘十郎選手が新潟プロレスの興行に出場するというので、ふんわりと、何も考えず「あー来るんだー」とツイートしたらご本人より熱い返信を頂き、これでもバンドマンの端くれ、ステージに立つ者としての魂というか血潮というか、沸き立ったのでした。
来た方がいい。
— 松山勘十郎(大衆プロレス松山座・座長) (@kanjyuro_osaka) 2021年4月14日
あると思ってた「またこの次」は
いとも簡単に無くなってしまうのを痛感した拙者デス。 https://t.co/k1HepmtyS0
そうだ、僕たちバンドマンも昨年から苦しい悔しい想いをしたきたじゃないか。あると思ってた「またこの次」はいとも簡単になくなってしまう。全くその通りなのです。ましてこの方のようにプロで興行をしている人たちは、僕らのそれとは比べ物にならないはず。この松山勘十郎選手の「来た方がいい」に心打たれ、その日のうちにリングサイド席を予約したのでした。
プロレスを見に行くのは久しぶりでした。動画やテレビでよく見ているせいで気付かなかったですが、生で見たのは人生で3回目だと思います。初めて生のプロレスを見たのは高校1年の頃、当時高田公園にあった厚生南会館、NOAHの興行でした。土曜深夜のワールドプロレスリングで画面越しに見ていた小橋建太が目の前で連続チョップをしている。地方巡業らしいちょっとお笑い要素のある試合展開と、生のプロレスは衝撃でした。声が枯れるまで小橋コールをして、興行が終わったあとも一緒に行った友達と興奮していた記憶があります。確かその年に小橋さんに腎臓がんが見つかってしまいしばらく休場。「せっかく生で見れたのに」と落胆したものです。当時はまだNOAHや新日、ゼロワンや全日といった団体の違いもよくわかっていませんでした。
当時のよねじ少年が特に好きだったのは小橋建太や小川直也、永田、蝶野、天山。特に蝶野が好きでした。ストンピングキックが多かった当時、蝶野のケンカキックは僕の目に「こっちの方がダメージあんじゃん!」と、GBA版ファイヤープロレスリングでやたら蹴りまくってました。
2回目は昨年ですか。長岡のドラマー、ガクハリさんに誘われて行った三条プロレスです。ローカル団体と侮っていましたが社長のデスティーノはまじですごかった。ここまで生のプロレスを見る機会がかなり飛んでしまった。それはやっぱり時代の変化があったんだと思います。
他方でも言われている通り、2000年前後はプロレス不遇の時代でした。K1ブーム、プライド、総合格闘技の台頭。アントニオ猪木でさえ総合格闘技に肩入れする状態。永田の総合格闘技参戦は本当に不幸だったと思います。なのでその辺りって正直プロレス見てなかったんですよね。ハッスルの特番は見てた。
そんなプロレスが、ここ数年ものすごいことになってて。最近めっちゃ面白いです。最強ヒール鈴木軍の台頭、インディー団体DDTの存在感、リコシェオスプレイのバズり。そして何よりアメリカ最大のプロレス団体WWEの王者に中邑真輔とASUKAが立ったのは単純にスポーツ好きとして誇らしかった。
そして今回。新潟プロレスは興味があったのですがいかんせんグレート小鹿しか知りませんで。あとは今もう所属してないようですがレルヒ少佐という外国人選手の必殺技がコブラツイストにスキー板を挟むってそんなの絶対面白いじゃん!って思ったり、スーパー・ササダンゴ・マシンの煽りプレゼンとか、その辺だけだったので今回の興行はとても楽しみでした。
ワクワクすっぞ。
どうでもいいのですがアオーレ長岡で迷いました。地下の駐車場に停めて、エレベーター乗ったんだけど(...何階?)ええいとりあえず1階正面に出てしまえと地上に出るも(西棟...東棟...はて?)プロレスの興行だから何かわかりやすいモノ出てるだろうと思ったけど、僕の視界には市役所と貸し会議室とカフェとコンビニ。何か難しそうなセミナーやってるし。多分ここで15分くらいロスした。難しいぜアオーレ。アミーゴ。
僕の心がぐっと盛り上がったのはグレート小鹿の入場曲「軍艦マーチ」が流れた時。うおお本物だ!79歳現役最高齢レスラーはゴージャス松野より動けてたぞ。あとやっぱり本物のレスラーは身体が大きい。骨格がちがいますもん。
アントニオ猪木が1943年生まれ、ジャイアント馬場が1938年生まれ、グレート小鹿は1942年生まれ。かつて力道山が率いた日本プロレスから続く歴史の生き証人、生き字引が正にこの人ですよ。まだ現役である奇跡。
第3試合で松山勘十郎選手の登場です。対戦相手は現役最重量、大日本プロレス所属の浜亮太選手。でかい。規格外。
僕としてはお目当ての眩暈坂が見れて大満足です。拝み渡りの変形ってことでいいんですかね、小気味良い口上述べながら渡り、投げたあとに首跳ね起きで「まいったか」と見得切り。これが好きなんです。ちょうちょ飛ばなかったのはちょっと残念でした。僕の席からは仕込んであるの見えてたのに。
張り合いの「かんがえろ!」も見れて良かった。
サインもらっちゃっためっちゃ嬉しい。SNSやYouTubeで見た人がこんな近くで、馴染みの技を直接見せてくれて嬉しかったです。
でもやっぱり、声援禁止は本当に辛いですね。プロレスは野次と声援と悲鳴と歓声がやっぱりほしいよ。それが面白いんじゃん。嫌な時代だ本当に。コロナに負けてたまるかい。
というわけで何をやってもコロナは足を引っ張ってくるけど、限られた中で気持ちが増幅されて結果、楽しかったので行けてよかったです。
松山勘十郎選手の「来た方がいい」に心打たれました。あれでビビッと来たんです。
楽しかった。
サイン入りのタオルはライブで使おうかな。
これからもご活躍なさってください!合唱!