よねろぐ!

新潟県上越市で活動中のサポートドラマー。音楽から超どうでも良いことまで幅広くカバー。美味しいものはすこしだけ。

ほらほらみんなの声がする(日記173)

短いお盆休みでした。僕は能生でサザエを食べたり、糸魚川でふらふらしてきました。マイホーム糸魚川サザエさんは愉快だな。サザエの最深部、深淵のカオスな部分は昔は食べることができなかったけど大人になったら何の苦もなく食べられるようになってました。

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最近またよく本を読むようになりました。今読んでいるのは新潟県出身の作家、藤沢周の新作「世阿弥最後の花」

晩年、佐渡に流刑になった世阿弥が自身の過去を振り返り、都を懐かしみながら佐渡の自然と人々に出会っていく物語。能の源流、猿楽の師である世阿弥が見た佐渡はとても美しくとても荘厳で、人の心を重ねるのに充分すぎるポテンシャルを有している。花鳥風月が過ぎる。そんな本です。まだ半分くらい。

すぐ読みたかったからKindle版のを読んでいます。寝る前とか昼休みとか、隙間時間にちょっとずつ読めるのがいい。

他にもサバイバル登山家、服部文祥の「You are what you read」と、もう一冊古書を買ってあるのでこれらも読んでしまいたい。

服部文祥さんはYouTubeで有名登山家をディスっていたり、イワナを豪快にさばいている姿を見て興味を持ちました。調べたら作家の仕事もしていて、今年上記の一冊を出したというので購入。服部さんが今まで読んだ本を紹介しているこの本では「本多勝一のこんなものを食べてきた」やヘミングウェイの「老人と海」など、僕も読んだことのある本が紹介されていました。僕も読んだことがある、というか何十冊も紹介しているので1冊2冊くらいはという、そんな感じです。届いてパラパラっと見た感じでは買ってよかったとガッツポしたくなる良い本です。

サバイバル、キャンプ、登山YouTuberが多いなか、この人は経験に裏付けされたガチなサバイバル登山で、本物のドキュメンタリーのようで好きです。企画っぽさがないというか。

そんな中。

KindleのUnlimitedで江川達也の「日露戦争物語」を見つけました。大学生の頃に出会い、これは良い漫画だと感じていましたが、残念ながら描きたいことが多すぎて収集がつかなくなってしまい日清戦争で終わるというオチがつきます。大人になって改めて読んでもやはり良い漫画だと思います。同時に坂の上の雲を読みなくなってしまう。

さっき書いた古書というのがオーストリア・ハンガリー帝国軍人、レルヒ少佐が日本に滞在した日記「明治日本の思い出」の翻訳本で、明治時代の国民国家としての日本人の気骨を感じたくて買いました。レルヒ少佐が今の上越市高田に降り立つ前、高田の市民に対して「海外の要人を迎えるにあたり日本国民の代表となるよう恥ずかしい行為をしてはいけない」と法度が出たといいます。

オリンピックで海外の選手団が来日してました。このような「日本国民として世界に恥をさらさない」というような気骨があったのかどうか、僕がどうこう言える立場じゃないにしろ、薄れているんじゃないの?という気はします。散兵を可能にした国民国家という思想、意志。好きです。

ネットが発達し、YouTubeで情報としての知識を増やすことは容易になりました。本の紹介動画とか、10分で紹介する、みたいな時短動画はたくさんあるのですが、僕は本物の知識と知恵を求める人は書物に返ってくると思っています。人類が時間を不可逆なものと認識している間は、旨い出汁をとるにはそれ相応の時間が必要になるものだと思います。良い知識を得るには本を読むそれ相応の時間が必要なのだと。

本は著者との対話。そして登場人物の経験を疑似体験し、実学に応用できる。だから多くの登場人物がそれぞれの立場で苦悩し活路を見出す史記項羽と劉邦三国志坂の上の雲は長い間愛される名著と呼ばれるのだと思います。

 

さて何の話だったかしら。サザエの中を覗くとき、サザエもこちらを覗いているって話だったけ。

ジャンケンポン。ウフフフフ。