ガチのマジで15年くらいぶりに銭形へ行きました。
銭形っていうのは上越にあるとんかつ屋さんで、市内に3店舗?くらいあるのかしら。老舗です。
僕が生まれた頃からあって、小学生のとき親戚家族が遊びに来たあの日も、おじいちゃんの気まぐれでドライブへ行ったあの日の帰りも、
我が家がまだ6人家族だった、幼少の頃の僕の記憶に刷り込まれている大好きなお店でした。
いま仕事がちょっと大変で、残業(といっても暗黒のそれでない程度)が続いたある夜、母から「ワタシ遊びに行くから夕飯済ませて帰ってきてね♡」という愛情たっぷりのラインが入りました。
さてどうしよう。この、「今日一晩頑張ったってとうてい終わりそうにない仕事」はさっさとケリを付けて、丸亀うどんか100円寿司かラーメンか、家の近くの釜飯屋さんでさくっと飲んでしまうか。でも時間がなあ。なんて思いながら車を走らせたのです。
その日は考えごとをしていて、ふわふわした気持ちでアテもなくなんとなく、上越大通りを直江津方面へ向かっていました。市民プラザと田中産業の横を通り過ぎた頃、ふと見慣れた看板が意識の中に入ってきたのです。
普段は景色と同化しているせいか、全く意識の外側にいたそのお店こそ「銭形」でした。
ふわっ とぬるい風に乗って漂う揚げ物の匂い。ラードとごま油が混じった香ばしくて温かい匂い。
いざ、銭形。久しぶりに入ることにしました。
ああ、この感じ!
お店に入った瞬間の懐かしい気持ちはなんともいえない正にエモーション。古くて使い込まれている店内。テーブル。広い座敷。
席につくなり出てくるお茶と漬物。
僕は迷わず「とんかつ定食(並)」を注文しました。(なぜか味噌も)
頭と尻尾がついてくる大エビフライは子供の頃好きだったし、天ぷらも記憶にあったけど、子供の頃からだいぶ変わってしまった自分、大人になってイッパシに残業もするようになった今日はまっすぐに銭形のとんかつを食べたいと思ったのでした。
待ってる間はゴルフ漫画「風の大地」を読みました。良いスイング、良いショットは音でわかる。グリーンの傾斜は裸足で歩くと読めるし、カップは見えなくても、寄り具合はギャラリーが教えてくれるのです。フェアウェイに咲く野菊を守るために1打もらっても、そういう心の余裕が大切なのです。アイアムチャンピオン!
銭形のとんかつは肉厚で、衣が荒くて大きくてさくさくで、アブラの香りがなんともたまらない。ごはん・味噌汁・キャベツおかわり自由。
各テーブルにおいてあるソースのツボは昔ながらで、たくさんかけてもしつこくないこのソースが大好きだった。辛子との相性も抜群。
とんかつも十分美味いのだけど、ごはんがもっちりしていて本当に美味い。ごはんが美味いので最初に出てきた漬物も、味噌汁も、すべてが美味い。
キャベツにかけるドレッシングも2種類あって好きに選べる。
最強のとんかつ屋ではないかと思う。
上越には何年か前にとんかつ大矢っていう名店があったのだけれど、後継者不足だとかで閉めてしまった。大矢はテイクアウトしたり、よく食べていただけにとんかつ屋ロスでしんどかったけど、僕はもう大丈夫。銭形に行けばいい。
これから(多分)ずっと上越で暮らしていく僕にとって、このお店は幼少の頃の思い出と一緒に大事にしていきたいです。
次は大エビフライにしようか、とんかつ(上)にしようか。
ランチセットもお得だったな。