よねろぐ!

新潟県上越市で活動中のサポートドラマー。音楽から超どうでも良いことまで幅広くカバー。美味しいものはすこしだけ。

アメリカ3日目、This steak is BOMB!!編(日記232)

テメキュラからの帰り道、赤ワインをたっぷり楽しんだ僕たちは「夕飯はステーキが良い!」というテンションになり道中にあるLONGHORNというステーキハウスへ入った。店頭のオブジェにあるように長い角という意味だ。

カリフォルニアのステーキハウスチェーンで有名なお店が3つある。今回入ったLONGHORN、後日入るBLACKANGUS、そしてOUTBACKS。ぶっちゃけOUTBACKSはお肉もサービスもハズレらしいので最初から候補に上がっていなかったが、LONGHORNはアテンドしてくれた姉夫婦も前から気になっていたということ。

アメリカのステーキ、対戦よろしくお願いします。

の前にちょっと時間調整。

やっぱりみんな考えることは一緒でワイナリー巡り後のステーキハウスLONGHORNは混んでいた。30分程度の待ちということですぐ向かいにある公園を歩く。実はこの公園はテメキュラと鳥取県の中山市(大山町?)と姉妹都市を結んだ記念の石碑がある公園だ。オブジェとしての鳥居もおいてあり、くぐることもできる。ちなみに水の張っている池はカリフォルニアに来て初めて見た。雨が降らないのだ。

DUCKS。この人たちもアメリカ生まれカリフォルニア育ち。

それにしても良い公園で、水辺を一周散歩することができるようによく整備されている。ちょうど夕暮れ時、犬の散歩をしている家族がいた。そしてこのちょうど対岸には軍人の記念碑もあり、テメキュラから出兵した人たちの名前が刻まれた石版がたくさん敷き詰められていた。こういうところも愛国心の国だと感じた。

YONEZ ROAD。ちょうどこの交差点を隔ててステーキハウスLONGHORNとさっきの公園がある。運命感じちゃう。

ふと、カリフォルニアの居心地の良さは我々の住む新潟と同じく「夕日が沈むから」なんじゃないかと思った。一日の終りに一番輝く。地球の同じ側を見ているような気がしてなんか安心する。

さて、そろそろLONGHORN入店の時間が近い。いよいよ、本場のステーキ登場です。

どかん!出ました。Tボーンです。

ステーキのサイズはすべてオンスで表示されている。16進数、16オンスで1パウンド、1オンスは28グラムちょっと。だいたい12オンス(約340グラム)か16オンス(約450グラム)がスタンダードらしい。食べきれないときは無理せずTo Go Boxをもらおう。今回注文したTボーンは骨の重さ込みで20オンスと書いてあったと記憶している。骨を抜いても可食部は12~16オンスくらいなのだろう。Tボーンは3種類の部位のお肉が楽しめる。

実食。脳が震える。赤身肉がとにかくジューシーでめちゃめちゃうまい!そして柔らかい!日本では霜降りのお肉が高級だが、カリフォルニアでは赤身肉が高級なのだ。そしてこの赤身肉が極めてうまい。臭みがない。こんな肉食べたことない。正直、食べたり飲んだりするのが好きな僕は舌が肥えていると思い込んでいたが、このステーキはまじで美味かったです。食えば食うほど腹が減るんだ。

LONGHORNのお肉は加工から調理までの工程で一度も冷凍していないのだそうだ。そして冷凍しないということは生産地からお店までの距離も短いので、新鮮なお肉をジューシーに提供することができる。これも脳が震えるくらいの美味しさの秘密なのだと思った。お肉が喜んでるわ。

ステーキを頼むとサイドディッシュを2つ選ぶことができる。ブロッコリーやアスパラなど野菜のグリル、数種類のサラダ、マッシュポテトなどの芋類。今回はシーザーサラダとスタンダードなマッシュポテトをチョイス。パンは何も言わなくても付いてきました。ドリンクはこの旅でドハマリすることになるビール、ブルームーン。カットオレンジが浮かぶ爽やかでフルーティーなビールだ。お肉によく合う。ちなみにビールもオンス表記だ。

アメリカ旅行では生野菜を食べる機会が減る、とよく聞くがここではサラダもドカンと大量に出てきた。生野菜も新鮮でうまい。本当にカリフォルニアは肉とか野菜とか、芋とか牛乳とか卵とか、そういう素材がめちゃめちゃうまい。味が濃い気がする。

 

ここでチップについてよく理解できたアクシデントが起きたので紹介する。

席に案内された際、サーバーの女性(元気で明るいおばちゃん、確かアシュリーという名前だったと記憶している)が「このテーブルを担当するアシュリーよ!よろしくね!メニューを選んでてね!また来るわ!」みたいな感じでめっちゃ明るく声をかけてくれた。しばらくしてアシュリーが戻ってきてオーダーを取り、ステーキの焼き方もレアとかミディアム・レアとかも全部オーダーした。

で、ステーキが来たのだが姉のお肉がミディアム・レアをオーダーしたのに明らかにウェルダンで来てしまっていた。するとアメリカ在住歴が長い姉夫婦はすぐ、再び通りかかったアシュリーに声をかけ、焼き直しをお願いしていた。

ここでまず日本人的な、というか僕だったら(まぁウェルダンも変わらんか)と気にせず食べるのだが、オーダーと違ったものについて普通に指摘し、取り替えてもらう。それらの行為に嫌味っぽさがない。当然アシュリーも「あら!ごめんなさいね!すぐに取り替えるわ!」と嫌な感じなく受け入れる。(ああ、個人の正当な主張をしている...アメリカだぁ)と思った。ここからだ。

アシュリーはキッチンに向かって「私の大事なお客さんが待っているから!早く焼き直して頂戴!」と結構な勢いで訴えていた。ここで感動したし、チップ制度の本質を見た気がした。

テーブルのサーバーというのはそのテーブルに座ったお客の満足度についての一番の責任者なのだということ、そしてその責任感に対してのチップなのだということがとても良く理解できた。そしてアシュリーのお陰で迅速に焼き直されたステーキにはブロッコリーの付け合せがサービスされていた。

彼女は彼女が持つ権限をフルに使って僕たちの満足度を高めてくれた。それが彼女の責任であり、チップとは彼女によって高められたサービスに対する正当な報酬なのだ。

これは馴染みのないチップ文化について納得されられた、とても重要なアクシデントだったと思う。

よく「アメリカは日本よりサービスが悪い」と聞くがとんでもない。アシュリーのように強い責任感と個人の持つ権限をフルに使って良いサービスと提供してくれる労働者は多いと感じた。穿った見方をするべきではない。確かにアメリカはガサツな部分も多いが、労働者としてしっかりと責任を果たしている面を強く感じた。アメリカ、と言っても広いので一概に言えないが、カリフォルニアの飲食店で悪いサービスだったところは正直あまりなかった。

見習うべきは見習おう。片方の良い部分を褒めるために他方を貶める必要はないのだ。

さて食事に戻る。

ロサンゼルスに来たらロブスターを食べたいと思っていたが、まさかステーキハウスにもあるとは思わなかった。ロブスターは一匹どかんと売られることが多いが、結局可食部はテール部分だけなので海辺のレストランとかで食べても観光地価格でコスパが悪いらしい。

が、ここはステーキハウス。頭をつけるという無駄はなくロブスターテールのグリルとして普通の価格で楽しむことができた。ブリッブリのでかいエビで口の中を満たされるのって幸せだな。ぶりんぶりん。バターソースもうまい。

LONGHORN、とても素晴らしいレストランでした。対戦ありがとうございました。最高のお店で、最高のステーキだった。

この日はここで終了。翌日もまたファンタスティックな一日を過ごす。カリフォルニアは基本的に雨が降らないが、雨の中でゴルフをするという稀有な体験をするぞ。また、アメリカらしいダイナーレストランも堪能する。

楽しみにしててくれよな!