「オルガンの音がハタと止んだ。靴音が閑雅に床を鳴らした。ドアがあけられた。私は叱責を待つ子供のようにその方を見ないで、懸命に卓上の花環をみつめていた。その人はしずかに私のそばの椅子にかけた。薔薇の薫りが流れ寄った。 「まあ、どこの坊っちゃん…
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