よねろぐ!

新潟県上越市で活動中のサポートドラマー。音楽から超どうでも良いことまで幅広くカバー。美味しいものはすこしだけ。

ペリリュー 楽園のゲルニカ(日記179)

すごい漫画に出会ってしまった。

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経験していない者が聞きかじった事実を持ち出して「戦争の悲惨さ」などと軽々しく言うべきではない。まして、一部のグループの都合の良い方向へ話を持っていくネタとして利用してよいはずもない。僕らの世代はただ、自分たちで勝ち取ったわけではないこの平和な期間を感謝の想いを持って享受し、自己を高め社会と文化を育み、同じ世代に生まれた仲間を大切にしながら毎日をありがたく生きていくのが筋なのではないかと思う。

「太平洋戦争があった」という事実は変えられないが、その世代の人たちがいなければ今僕たちはこんなにも幸福な時間を過ごせていないのだから、それは素直に感謝しなければならない。時間が経ち、当事者たちが亡くなっているのならば、せめてその気持ちは祖先へ向けたら良い。時間は不可逆なものでどうしようもないが、その事実に対して想いを寄せることは可能なのだ。

ほんの数世代むかしに起きた事実である。Kindleで見つけ軽い気持ちで手にとったのだが、一気に読んでしまった。読んでいる途中、これは手を止めてはならないと思った。僕はコロナ渦であることも忘れ、この舞台となったペリリュー島へ行かなくては、何がどういう理屈でそう思ったのかわからないけど、行って、慰霊のためなのか、感謝なのか、わからないけどとにかく何かしなくては生きていて申し訳が立たない、という衝動に駆られた。

読み終わった昨晩はよく眠れなかった。心の整理が追いついていなかった。ふと、祖父のお兄様のことを思い出した。祖父のお兄様は近衛兵として皇居周辺に勤めていたが、戦局の悪化に伴い前線へ送られそのまま亡くなったと聞かされていた。祖父も祖母ももう亡くなっているので、もっと良く聞いておけばよかったとひどく後悔した。

可愛らしい絵柄だが読むのに覚悟がいると思う。